「言われたことの真意」を確認してみる
言葉というのは、不思議なもので、同じ言葉でも意味が人によってまったく違います。
たとえば、「成功が大事だよね」と言っても、「仕事で地位や名誉を実現することが成功」と思っている人、「マイホームをもつことが成功」と思っている人、「家庭をもつことが成功」と思っている人、「いい大学に行くことが成功」と思っている人がいます。
成功といっても、たくさんの成功の形があります。自分が思っている成功と、相手が思っている成功は、まったく違うということもありえるわけです(わたしはこれを人それぞれの「言葉の地図(マップ)」と呼んでいます)。
このように「相手の真意(言葉の地図/マップ)」を確認することで、相手の本当の考え方や気もちが理解できて、ネガティブだった印象が変わることがあります。
すると、「確証バイアス」でつくり上げられたその人のイメージが崩れて、相手の印象が変わってしまうのです。
あなたにも「あのとき以来、ギクシャクしているけど、できれば関係を修復したい」と思っている相手がいるなら、久しぶりに話をしてみてください。少し勇気は必要ですが、相手にその言葉の真意を確認してみましょう。
※1 注目バイアス Pool, E,. et al,“Attentional bias for positive emotional stimuli: A meta-analytic investigation” Psychol. Bull. 2016, Vol.142(1), p.79106
※2 子どもの追視 Fantz, RL.,“Pattern Vision in Newborn Infants”, Science, 1963, Vol.140(3564), p.296-7/ Morton, J.& Johnson, MH.,“CONSPEC and CONLERN: a two-process theory of infant face recognition”, Psychol. Rev. 1991, Vol.98(2), p.164-81.
※3 フォン・レストルフ効果 Restorff , Hedwig,“Über die Wirkung von Bereichsbildungen im Spurenfeld”[The effects of field formation in the trace field]. Psychologische Forschung [Psychological Research](in German), 1933, Vol.18(1), p.299-342