「ポータブルスキル」で、人生を豊かに旅していく

ではこの、「ポータブルスキル」をより細かく定義すると、どういうことになるでしょうか。それは、「社内外問わずどこでも活かせる汎用かつ万能スキル」です(厚生労働省の定義では「職種の専門性以外に、業種や職種が変わっても持ち運びができる職務遂行上のスキル」とされています)。

従来の日本では、弁護士や会計士など一部の専門家を除き、一般的なホワイトカラー層の「スキル」は会社と紐づけられ、その企業でのみ実践可能なものでした。しかしいまや、スキルは「持ち運び可能」なものだということに社会全体が気づき始め、個人の転職や副業、フリーランス化の際、「外部でも応用できる」と考えられるようになってきたのです。

例えば、イラストレーターやカメラマンなどは、自らの作品をポートフォリオとして整理して、それを新規顧客開拓の際に提示することで仕事を得てきました。それと同様のことが、今後ホワイトカラーのビジネス業界でも繰り広げられていくということです。

ビジネスイメージ(建築家、建築モデル、女性)イメージ。
写真=iStock.com/chachamal
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業界共通の「仕事のやり方」

象徴的なのは履歴書です。これまでは企業名や部署名、肩書ばかりを羅列するものでしたが、これからは「会社でどういうミッションを担っていたのか」「どのようなプロジェクトを企画・推進したか」など、あなた個人としての会社との関わり方、貢献の仕方が重視されるようになっていくはずです。

一口で「仕事」といっても、製造やサービス、飲食や広告、物流や小売りなど様々なジャンルがありますが、業界を超えて共通する「仕事のやり方」というものも存在しますよね。

厚生労働省の「ポータブルスキル見える化ツール(職業能力診断ツール)」では、「ポータブルスキル」が分かりやすく整理されています。