50代になっても60代になっても必要とされる人材でいるためには何が必要か。みらいワークス社長の岡本祥治氏は「コロナ禍を通じて企業が必要なときに、必要な人材を、必要なだけ調達するノウハウを蓄積したことによる、“革命の予兆”が見えてきている。それを逃さないことだ」という――。

※本稿は、岡本祥治『LIFE WORK DESIGN』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。

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企業の「業務切り分け」が「アウトプットベース」に進化

さて、「フリーランス」として働きたい個人も、ここ数年でだいぶ増えてきましたが、企業の側もまた、「フリーランス」人材を活用したい機運が徐々に高まってきています。

それは、従来課題としてあった「フリーランスにどう発注していいか分からない」問題が、解消されつつあることと関係しています。そうした根深い日本企業の課題にメスを入れたのは、意外にも、新型コロナウイルスの存在でした。企業が「アウトプットベース」で業務を切り分けるようになってきたからです。

企業が外部の副業・フリーランス人材に仕事を発注する際、最大の課題として立ちはだかってきたのは、契約内容や金銭にまつわるやり取り以上に、「業務のどこを切り取って、外部発注すればいいのか分からない」という問題でした。

会社の自分のデスクの前に、部下がズラリと座っていれば、「○○君、これやっておいて」と仕事を投げかけ、気がついたときに「ねえ、あれできた?」と確認することもできます。でも、同じ作業を、顔も見たこともない外部人材に発注するとなると、発注側の能力も大きく関係してきます。

「どの事業の、どの部分の作業を、どれくらいの納期と金額で発注するのか」

そのノウハウが蓄積されていないがために、これまで人手不足や、スキル不足に悩んでも、外部人材を活用できない状況が続いてきた側面もあります。