成果さえしっかり出せばいい

空間的制約に限らず、時間的制約にも同じことが言えます。「成果さえしっかり出せば、必ずしも9時~5時で働く必要もないのでは?」と考える人も増えました。夜型の人間は、「夕方以降のほうが能力を発揮できる」となるでしょうし、子育て真っ最中の人は、「子どもが寝静まった深夜のほうが、落ち着いて仕事ができる」かもしれません。あるいは「自分は朝型人間だから、朝5時からフル回転で仕事をする代わりに、13時には仕事を終えたい」人もいるでしょう。

仕事の合間に散歩や昼寝をしたり、夕飯の仕込みをしたり、効率よくワークバランスをとることも可能になるのです。

フリーランスの年齢のカベは徐々に上がっていく

では、実際に「フリーランスとして働いてみたい」「この会社以外で働いてみたい」となった場合、その選択は実現可能なのか、労働人材市場の観点から見てみましょう。

かつて「転職は38歳が限界」が定説の時代がありました。「フリーランスになる」「業務委託で仕事を受ける」場合も、「30代が旬、40代はギリギリ、50代は論外」が通説の時代もあったのです。しかし、ここ10年間で、そうした転職・フリーランスマーケットに変化が現れました。30代、40代はおろか、「50代のフリーランス」と業務委託契約を結ぶ企業が、右肩上がりで増加しているのです。

プロフェッショナルのためのトレーニングクラスを率いるビジネスウーマン
写真=iStock.com/VioletaStoimenova
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フリーランス人材が求められる背景

背景にはいくつかの理由が隠れています。

①人手不足
どこの企業も優秀な人材が不足気味です。優秀なフリーランス人材は多様な業界で引く手あまたです。
②社会の価値観の変化
「フリーランス」=「会社で働けない人」という固定観念が薄れ、優秀なフリーランス人材の価値を、企業も認め始めています。
③フリーランス人材の増加
「フリーランス」としての働き方を選択する人が増えていることで、フリーランスマーケットが形成され始めています。

私は現在40代半ばで、大学を卒業したのはちょうど2000年でした。当時は就職氷河期と呼ばれ、この年代は就職の難しさを肌で感じてきた世代とも言えます。バブルがはじけて経済は不況。ならば「どうせなら好きなことを仕事にしたい」と、フリーターとして生きる人や派遣の道を選ぶ人も、この頃から急増しました。「会社という組織」に頼らず、独立独歩の道を歩むことが、初めて世間に認知された世代かもしれません(もちろんその反面で、主にブルーカラー層における派遣制度には課題点も多く、生涯契約社員という立場から抜け出せなかったり、リスキリングの機会を得られなかったり、派遣の雇い止め問題が発生したりなど、社会的課題も生まれました)。