スキル・経験の“賞味期限”に、どう対策すればいいのか。みらいワークスの岡本社長は「自己分析も大切だが、時にはちょっと強引な依頼にも乗ってみることをお勧めする」という――。

※本稿は、岡本祥治『LIFE WORK DESIGN』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。

ビジネスコンセプト、スキルアップ
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スキル・経験には賞味期限がある

フリーランスに付きまとうデメリットの1つに、「どうしても経験の切り売りになってしまう」ことも挙げられます。

新卒社員を採用するような企業は、「この人を育てよう」と意欲に満ち溢れています。でも、いい年をしたフリーランス人材を採用するとき、「この人を育てよう」とは誰も思いません。フリーランス人材はスキルや能力を持っていて当然。独立して高報酬をもらい続けようと思えば、それは「スキル・経験の切り売り」にならざるをえないのです。これまで経験してきた仕事、培ってきた知識で勝負するしかない。

ただ、問題はその「スキル・経験」の賞味期限が、いつまで持つかということです。今ある仕事の多くが、将来AIやロボットに奪われる時代です。残る「人間に任される仕事」のうち、どの部分を自分はできるのか。企業がわざわざ高単価を支払ってでも、自分に「働いてもらいたい」を思ってもらえる分野とスキルは何か。

経験の切り売りから抜け出す方法

ただ、こうした自己分析も大切ですが、「時には無茶ぶりに乗ってみる」のも大いにお勧めします。フリーランスをしていると、「これもお願いできませんか?」「ひょっとしたら、これもできるのでは?」「頼みますよ、ちょっと頑張ってみてください」と、押しの強い誘いや、ちょっと強引な依頼にも遭遇します。そういうときは、「いや、できません」と断るのではなく、あえて乗ってみるのはいかがでしょうか。

もちろん、むやみやたらに未経験の仕事に首を突っこめばいいというわけではありません。社外での仕事の場合、「信用」が大切であるということは、すでに十分強調してきました。「信用」を裏切れば、そのツケは必ずわが身に降りかかってきます。

それでも、信頼できる人から、「あなたならできる」と頼まれるということは、頼んでくる相手も、「この人ならできる」と信じてくれているということです。「馬には乗ってみよ、人には添うてみよ」という言葉もあります。何事も、経験してみなければ、良いも悪いも分かりません。フリーランスは挑戦の機会が少ない分、訪れた挑戦の機会は、どうかその手でつかんでほしいのです。