1日で発言を翻した田村氏
また、田村氏は、2022年3月にウクライナに日本政府が自衛隊の防弾チョッキを提供する方針を決めたことについても興味深い発言をした。3月4日、田村氏は記者会見で「人道支援としてできることは、すべてやるべきだ。この場で反対と表明するようなことは考えてない」と述べた。しかし、翌5日になって「賛成できない」と反対する立場を表明した。
〈5日の会見は緊急で開かれ、田村氏は「私の発言が不正確だった。発言を訂正し、党としての見解を述べたい」と説明。「ウクライナへの支援は非軍事の支援に全力を挙げるべきだ」と語った〉(朝日新聞デジタル、2022年3月5日)
田村氏のような共産党幹部が1日で発言を180度翻すような事態は珍しい。兵器に関し、防衛的兵器と攻撃的兵器の境界線を明確に引くことはできない。戦闘地域への武器供与というような重要問題に関しても共産党内で見解の違いがあることを田村氏の発言は浮き彫りにした。
田村氏のツイートや記者会見での発言の訂正は党創立100年を控え、デマ攻撃や対決の弁証法では片づけられない危機感と動揺が党内に生まれていることを示唆している。