日本共産党の機関紙『しんぶん赤旗』が部数を減らしている。ジャーナリストの篠原常一郎さんは「『しんぶん赤旗』は日本共産党の収入の約8割を占める。ところが2019年に100万部を割るなど、部数が減りつづけており、財政基盤が揺らぎつつある」という――。
※本稿は、篠原常一郎『日本共産党 噂の真相』(育鵬社)の一部を再編集したものです。
日刊『しんぶん赤旗』は20万部弱で赤字体質
『赤旗』は政党機関紙としては圧倒的な部数を誇る日刊紙で、他に日曜版もあります。
1997年に『しんぶん赤旗』に改題しました。
2019年8月28日付『赤旗』に、「『しんぶん赤旗』と党の財政を守るために」と題した岩井鐵也・財務・業務委員会責任者の声明が掲載され、日刊紙と日曜版の読者数が100万を割り、「重大な事態」で、「この後退が『しんぶん赤旗』発行の危機をまねいている」と指摘したことが話題となりました。
日刊『赤旗』は20万部弱。全国紙としては採算割れで、月々数千万円以上の赤字が出ています。党員は毎日の『赤旗』を読んで党の方針を知るタテマエですが、党員が約28万人と言われているので、3分の1の党員が日刊紙を読んでいないということになります。
「もう視力が追いつかない」
これは党員の高齢化(それにともなう貧困化)と、入党のハードルを下げたことの二つがマイナス要因になっています。
「もう視力が追いつかないから、日刊の方は勘弁して」と私が党専従だったときに高齢者党員からよく言われました。
少ない年金やアルバイト暮らしですから、月数千円以上の購読費用はつらいでしょう。
あとは「ともかく党員を増やせ」と上級から尻を叩かれて、地方議員が苦し紛れに自分がお世話した人を入党させるからです。
入った方は議員の後援会員になったくらいにしか感じていない。だから、「支持しているんだから、そんなに高くて難しい新聞、読まなくてもいいじゃないか」となってしまうわけです。