日本共産党とはどんな政党なのか。ジャーナリストの篠原常一郎さんは「純粋な正義感で入党した党員は、最高幹部たちの振る舞いを目の当たりにして不満を抱き、ときに『反逆予備軍』となっていく。党内にはそんな不満分子を監視する『第二事務』という組織がある」という――。

※本稿は、篠原常一郎『日本共産党 噂の真相』(育鵬社)の一部を再編集したものです。

2022年6月、参院選が公示され、第一声を上げる共産党の志位和夫委員長
写真=時事通信フォト
2022年6月、参院選が公示され、第一声を上げる共産党の志位和夫委員長

反逆予備軍を監視する裏部隊

純粋な正義感や良心を持って日本共産党に入党した党員は、「党上級機関の要請」によって末端の党機関の職員になったり、候補者を経て地方議員になったりします。

そうして党の中のヒエラルキーを登るにつれ、最高幹部周辺から漏れてくる不可解な事実に疑問を感じるようになります。

しかし多くの場合、「上級の指導に無条件に従う」との民主集中制の規律を順守する立場をとり、そうした疑問を自分の中で押し殺してしまい、“合理化”するのです。

それでも、党中央委員会や都道府県委員会の最高幹部たちと直接触れあう部署の任務につくと、幹部の不合理な行動や非人間的な振る舞い、あるいは組織私物化の横暴の姿を目のあたりにするようになります。

そうすると、よほど卑屈な人間でない限り(現実には最高幹部たちに取り入り、保身に走る党本部職員も少なくないのですが)、心中に不満がふつふつと沸いてくることになります。

これが幹部と異なる意見の具申や表明につながることがままあるのですが、そうなるとその党職員は「反逆予備軍」として“札付き”となり、要監視対象とされてしまいます。

そして、この監視任務を担う組織機構が日本共産党中央委員会には形成されているのです。

これが、党幹部と施設の「防衛」を任務とする部門=「第二事務」と、その他の民間会社の形をとった警備部門や尾行調査部門です。