特権的な生活を守るために利用していた

共産党というシステムでは、「お前はスパイだ」という名目で、論争相手や将来的に幹部の地位を脅かす可能性の高い同志を次々に排除してきた過去には、枚挙にいとまがありません。

篠原常一郎『日本共産党 噂の真相』(育鵬社)
篠原常一郎『日本共産党 噂の真相』(育鵬社)

戦前の宮本顕治らによる死者を出した「スパイ査問」事件や、1930年代のスターリン時代のソ連での大粛清(ロシア革命以来の党幹部や赤軍司令官が「外国のスパイ」などの嫌疑で逮捕され、多くが処刑されたほか、獄死しました。逮捕は市民レベルまで広がり、数百万人が犠牲になりました)がその例です。

政権にまったく接近できたことのない小さな日本共産党ですら(イタリアやフランス、スペインの共産党は与党になったことがあります)、不破(哲三)氏のように最高幹部は民主集中制の「上意下達」的な組織の不明朗さの上に乗っかり、特権的な生活を享受できます(これは40年近く党最高幹部の座に君臨した宮本顕治も同様でした)。

この座から追い落とされることが、実は共産党の最高幹部にとっての最も大きな不安の種なのです。

そこで党最高幹部は、自己保身のための組織体制を構築し、歴史的にそれが継承されてきました。

かつては、不破氏にしても宮本にしても、党最高幹部の地位につくとまず、補佐役(副委員長など)に自分のいいなりとなって下部に対して“睨み”の利く人物を登用します。

宮本の場合は、北朝鮮拉致問題で活躍した元共産党国会議員秘書の兵本達吉氏を査問した故小林栄三氏です。

不破氏の場合では浜野忠夫氏を従えています。

この小林氏や副委員長(当時)の浜野氏こそが、日本共産党の裏部隊を統括し、党本部職員や不破氏と自分以外の幹部を含む党員を監視するシステムを動かす責任者の地位についてきたのです。

結局、党員監視の人権抑圧システムは、民主集中制と表裏一体の全体主義的指向の随伴物として、日本共産党に根付いたものなのです。

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