「武道の達人」をリクルート

第二事務の要員は、空手や柔道の有段者が多いのですが、武術の研修は、東京・練馬区にあるI道場が長年にわたり実施拠点になってきました(現在は閉鎖)。

柔道や空手の研修会を開いていた
写真=iStock.com/skynesher
柔道や空手の研修会を開いていた(※写真はイメージです)

「I道場の元の道場主は亡くなってしまったのですが、柔道の達人で、熱烈な共産党員でした。

元参議院議員の緒方靖夫党副委員長も党国際部にいたとき、不破氏が外遊する際に通訳兼ボディガードを務めるために、この道場で柔道の稽古をつけてもらっていました。

道場の一角には、第二事務の要員たちが柔道や空手の研修会を開いた際の記念写真や、演歌とか軍歌の替え歌として作った『幹部防衛任務の歌』が何種類も紙で貼り出されてあります。近所の人が見て、怪訝な顔をしていたそうですよ」(K氏)

武術を磨きながら“軍歌”を歌い、「幹防」の任務にあたる彼らは、いったいどんな人間なのでしょうか。K氏は語ります。

「学生時代に武道の有段者になった党員で、党機関専従になった者からリクルートすることが多かったみたいです。

しかし、中のメンバーに聞いてみると、『女性や金銭絡みで問題を起こして行き先のなくなった党専従もかなりいる』とのことでした。

第二事務は、年齢的には50歳前後までしかできないことになっているので、いわば“禊”ですね。党の最高幹部に身を挺して尽くして、最後は希望の部署に配置してもらって定年を迎えるのがほとんどだそうです。

地方の地区委員会の委員長とか、都道府県委員会の職員とかですね。地方議員になった人もいます」

他のソースからの話では、第二事務にリクルートされた党員は数週間にわたる合宿で「党幹部防衛は革命の至上課題」といったテーマに関して膨大なテキストを基にみっちり講義され、グループ討論も行うそうです。

日々の運動や集団生活訓練でメンバーの相互連帯を深めながら、きっちりと“洗脳”されるのです。

こうした「幹防」活動を軸にした第二事務については、宮本顕治が自分についた「幹防」メンバーをよく可愛がり、能力があると見ると幹部に取り立てたと言いますから、おそらく宮本が党の最高権力者の座についた1960年代前半からシステムとして定着したのではないかと推測しています。