終わりが見えたコロナ禍、見えない借金返済法
新型コロナウイルス(以下コロナ)が発見されて2年余りが過ぎた。
2022年9月14日、WHO(世界保健機関)のテドロス事務局長は「先週1週間の世界の死者数が2020年3月以来最も低かった」として「新型コロナウイルスの世界的な大流行について、終わりが見えてきた」と述べた。
日本国内でも、2020年春ごろに比べてニュースの扱いは明らかに小さくなった。2020年春には全国で約500人の新規感染者数に対して毎日トップニュースで扱われ、「全国一斉休校」「厳しい行動制限」「レインボーブリッジの警告ライトアップ」などが行われたが、2022年夏には約20万人の新規感染者数にもかかわらずニュースの扱いは小さくなった。
背景にあるのは、「ワクチン接種の普及」「感染者数は増えたが重症者は減った」そして「一般市民もコロナに慣れて恐怖感が薄れた」などが考えられる。
また、2022年2月に始まったウクライナ紛争の影響も少なくないだろう。連日のように伝えられる戦死・虐殺・暴行などのニュースはコロナ禍が色褪せて見えるような悲惨なものが多い。資源不足による世界的インフレも終わりが見えない。
個人的には「人間の持つ警戒心」には上限があり、新しい警戒対象が出てくれば古い警戒対象への関心が薄れていくように思う。
2011年の「福島の原発事故」への警戒心がコロナ禍によって色褪せてしまい、2022年7月に正式決定された「原発処理水の海洋放出」がさほど注目されなかったようなものである。
日本政府が2020年度に計上したコロナ対策費は約77兆円と報道されている。これは東日本大震災の復興予算(約10年で約32兆円)などに比べて異次元の巨額であり、その多くは国債でまかなわれている。要するに借金してバラまいた金なので、いずれ返済する必要があるが、具体的な返済計画は明示されていない。
そこで今回はコロナ対策費の大借金を日本国民はどのような形で返済させられるのか予想してみた。