共産党の収入の約8割は『赤旗』

毎年9月には、各政治団体から所管の省庁に提出された政治資金収支報告の概要が、官報などで公表されます。原本の方の縦覧も同時に開示され、総務省に赴けば誰でも閲覧することが可能です。

“財界からビタ一文ももらわない”と自画自賛してきた日本共産党中央委員会が総務省(2000年度以前は自治省)に提出してきた年度ごとの政治資金収支報告書を紐解くと、同党の財政が明らかになります。

『赤旗』事業は党の財政収入の8割を占めると言われています。2020年分の政治資金収支報告によると、機関紙誌・書籍等事業収入は、173億8413万円と収入の81.5%を占めます。党費収入は5億4907万円で収入の2.6%、寄付が9億2512万円で同4.3%ですので、圧倒的です。

「チビた鉛筆を長く使う」節約キャンペーンが手足をしばる

『しんぶん赤旗』編集局の元幹部、G氏はこう述べます。

「かつて、『赤旗』は“タブーなき真実の報道”を標榜し、政財界のスクープ記事をいくつも連発して、評価を得ていたものでした。記者もやる気にあふれていたのです。

ところが最近は、不破氏やごく一部の幹部を祭り上げる“提灯記事”のようなものの掲載が増え、“しんぶん”としての魅力が大幅に減ってしまいました。

いまや“節約運動”のかけ声の下、取材や出張経費の削減が記者の手足をしばり、若い記者などは編集局でコンピューターによるネット検索で仕入れた情報で記事を書いている始末です。

こんな状況では、いくら上からハッパをかけても、『赤旗』読者を増やしていくことなどできないでしょう。一般商業紙ですら“新聞離れ”で苦しんでいるのですからね」

篠原常一郎『日本共産党 噂の真相』(育鵬社)
篠原常一郎『日本共産党 噂の真相』(育鵬社)

“節約運動”とは、ここ十数年以上にわたり党本部内で取り組まれている経費節約キャンペーンで、本部職員や役員からなる「節約委員会」がコストカッターとして運動を煽っています。

各部局から、「節約のためにどんな工夫をしたか」について月間報告を提出させ、それに基づいて「節約ニュース」を発行します。

これは本部職員全員に配布されていますが、内容は「チビた鉛筆をどのように長く使うか」「出張時に割得キップをどのように使ったか」など些細なものが多く、党本部関係者からは「『節約委員会』と『節約ニュース』をなくすことが最大の節約になる」と囁かれています。

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