「還暦オヤジの話を聞いてあげたのに時間返せ」

▼いつの間にかビジネス相手に想定されていた?

もちろん、前出の画像詐欺まがいやお金目当てではない、“普通”の女性とマッチングできることもあった。

「マッチングしたC子さんはキャリア女性で経済力があるから、金目当てでもなさそうだし、会う場所もカジュアルな居酒屋で全然OKでした。お互いの仕事について盛り上がり、僕の定年後のセカンドキャリアについて話したところ、彼女が『相談に乗るわ』と言ってくれたんです。キャリアコンサルタントの資格も持っているし、興味があるからと。だから自分のこれまでのキャリアやスキルの詳細をまとめて、彼女に渡しました」(B男さん)

それからは、主にキャリア相談に乗ってもらうようになったB男さんだが、ハキハキとして性格が明るいC子さんのことを好きになり始めていた。

日本酒で乾杯
写真=iStock.com/Yuzuru Gima
※写真はイメージです

「アプリで出会ったのですから、もともとは婚活目的です。ちゃんと付き合いたいと言ったところ、『あなたとはいい友人でいたい。できればこのセカンドキャリアに関しての相談も有料にしてほしい』と言われてしまいました」(B男さん)

恋愛感情が芽生えていたB男さんは、「友人では嫌だし、お金の支払い受け取りをする関係でない形を望みます」と告げたところ、それまでのフレンドリーな態度が一変した。

「『還暦のオヤジに付き合って話を聞いてあげたのに時間を返してほしい』とか『そんなに収入があるのに他人にただで話を聞いてもらおうとするなんてケチだ』とか、さんざんダメ出しされました。今度は相手からアプリをブロックされましたよ。女性が求めるものは結局金なんですかねえ……」(B男さん)

B男さんもA子さん同様アプリ疲れを感じているが、諦めたわけではない。あくまでポジティブにこう語る。

「日本の人口の半分は女性ですから、マッチングした人にどんどん会い続けていれば、いつかいい人と出会えるはず。Pだけでなく他のアプリも並行してやっていこうと思ってますよ」(B男さん)

世代に関係なく、女と男はどこまでいってもすれ違うものなのだろう。しかし若者と違って年齢なりの知恵も経験も蓄えているはずの中高年の場合、より異性を理解しようという気持ちをもたなければ婚活は成立しないのかもしれない。

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