例2)60歳バツ2のB男さんの場合

▼容姿以外はハイスペック。それなりに人気

還暦のB男さんは、数年前に伴侶を亡くした男やもめ。頭髪が寂しく、低身長のおじさんだが、プロフィール面では超ハイスペックだ。グローバル企業に研究者として勤務し、長年海外で生活した経験がある。博士号を持つスペシャリストで、最大の武器は年収が2000万円近くあることだ。

ちなみにアプリで人気のある中高年層は、女性の場合は容姿や家事能力がメインだが、男性の場合は……。

●年収1000万円以上の高所得者
●並でいいので清潔感のある容姿
●海外生活が長いインテリ、またはハイキャリア層
●大企業勤務や経営者など高ステータス

B男さんは、この4項目すべてに該当している。

「お酒が好きなので、積極的に居酒屋などで隣に座った女性に話しかけていましたが、酒飲み友達止まりでなかなか交際に発展しないのです。スペックを披露しなければ、ただのおじさん、いやおじいさんだからかな(苦笑)。だけど、リアルな相手にいちいち自分のハイスぺぶりを言うのは嫌味ですしね。だからアプリに登録したんです」(B男さん)

登録したのは、全世代から高い支持を得ている「P」というアプリ。プロフィールでは、彼のハイスペックぶりを余すところなく伝えられるので、それなりにいろんな女性からアプローチがあった。

▼まるで別人の写真を自分と偽る怖さ

「年下のものすごい美女からも連絡が来たので、うれしくなって『すぐ会いましょう!』となりました。でも、待ち合わせ場所に現れたのは疲れた感じの中年女性。写真を盛っているというレベルではなく、完全な別人でした。それとなく聞いてみたら、仕事で付き合いがあるモデル女性の画像を掲載したそうです。『マッチングしたいがためにそこまでするか?』って彼女のメンタリティが怖くなりました。30分ほど喋った後に、会社から急な呼び出しメールが入ったとウソの言い訳をして、すぐに別れました。申し訳ないけれど、アプリもブロックしました」(B男さん)

美容室でセット後の女性の後ろ姿
写真=iStock.com/yamasan
※写真はイメージです

イタい女性は他にもいた。

「その人はメッセージのやり取りからしてちょっと怪しかったんです。会う場所をカジュアルなレストランに指定したところ、『もっと高級店がいい』と。少し無作法だなと思っていたんです。極めつきは、会うなり、私の定年後の仕事の状況や、年金、貯金などを問いただしてきたんです。その女性はずっと非正規雇用の状態で、老後の資金が心もとないことを延々と喋っていました。私個人への関心は経済状態のみ。高級店でコース料理を食べましたが、支払いは僕がするのは当然といった感じで完全になえちゃった。別れた後はもちろんブロックしました。おじさんの僕が言うのもなんですが、若い女性ならまだしも、おばさんでこの高慢ちきな態度は一発アウトですね」(B男さん)