張り切って婚活したA子さんのまさかの結末
▼減点方式で相手を見てしまう悲しさ
以上の“失敗経験”を踏まえて、A子さんは戦略を変えた。
「清楚ぶった後ろ姿を載せたのは間違っている。私のように気が強そうな外見が好きな男性に響くようにした方が、お互いに齟齬がなくていいかもと思いました」(A子さん)
そこで思い切って素の顔に近い写真をトップ画像に差し替えたところ、それまでと違う類いの男性群からアプローチを受けるようになった。
「私はそこそこ年収があることをプロフィールで公開しているので、頼りがいがある姉御タイプだと思われたようです。今度は20歳以上もの年下君とか謎の外国人とか、低年収シニアとかからアプローチが多くて、これはこれで微妙な気分になりました。これまで何人もお会いしていますが、男性側に嫌な部分が見えてしまうと、『お金もないくせに……』と意地悪な自分も出てきてしまって。男性を見る目が厳しくなっているのでしょう。お会いしたどの相手にも真剣交際しようと思える決定的な魅力を感じられないんです」
女性は年齢を経ると男性を“減点方式”で見る傾向が強くなると言われる。アプリの場合、第一印象の評価がマックスで、そこからNGだと思える部分がある度に点数が下がっていく。
それではいつまで経っても、いいパートナーに巡り会えないし、“加点方式”で人を見られた方が幸せになれる確率は高いのではないか、とA子さんに問いかけると「それはわかっています。でもこと恋愛に関してはそんなに自分の考えを変えるのって無理なような気がして」とため息をつく。
▼不倫相手と元サヤに収まってしまった
アプリを登録して1年が過ぎた今、婚活疲れを感じているA子さんは、なんと、コロナ前に交際していた恋人(既婚者)に連絡を取って、元サヤに収まってしまった。
「結局慣れ親しんだ恋人と過ごす方が心身ともに心地いいと思ってしまって。その恋人には家庭があるから、私の婚活も後ろめたいとは思いません。彼との逢瀬を楽しみながら、アプリとかバーなどで運命の人と出会うのを待ちたいと思います」(A子さん)
婚活アプリは女性の使用料が無料のケースが多く、全ての利用者が高額な料金を払う結婚相談所と違って気長に続けられるが、リアルな出会い同様、大願を成就するのは簡単なことではないようだ。