「上場企業の部長くらい稼ぐ」変態向けの古物売買サイトの運営

先に紹介した村上太郎のスタジオからの帰り、最後に景気のいい話を聞きたいと歌舞伎町に寄ることにした。

思い浮かんだのは、歌舞伎町二丁目で複数の事故物件が報告されている分譲マンションの一室に籠りながら、変態性欲者向けの古物売買サイトを運営する岸田悠馬(仮名、35歳)だった。

彼は5年前に変態性欲者向けのフリマサイトの運営を始めて、売買価格20パーセントの手数料収入で暮らしている。

年収はうなぎのぼりで、「まあ、上場企業の部長くらいは稼いでいるかも」と言う。突然、歌舞伎町の自宅を訪ねたが、個人名&サイト名を匿名という条件で取材を受けてくれた。

岸田悠馬は大学卒業後、サラリーマンを経験し、10年前に辞めたあと、ITを独学で学んでエンジニアになった。

そして、5年前に広告代理店が運営する売上の低かった古物売買のブルセラサイトを任された。自宅に籠って何度もリニューアルを繰り返しながら人気サイトに育てている。

SEO(検索エンジン最適化)の経験と知識があったので、まず、最初にSEOを頑張りました。一番多いのは“使用済み下着”、でも競合が多い。やっていくうちに“ウンコ”とか“おしっこ”とか変態要素が増えていった。
売上が月100万円くらいの段階で事業の立て直しを任されて、いまはそれが5〜7倍になった感じ。使用済み下着だけじゃなくて足専門とか熟女専門とか、いろいろ横展開をやっているうちに「5ジャンル5サイト」になった。
エロのニッチな部分でいくと、売上は上がる。ニッチも深掘りすると、とことん需要があるのでそれがエロの面白いところ。