コレステロール値は少し高いほうがいい

鎌田實『60歳からの「忘れる力」』(幻冬舎)
鎌田實『60歳からの「忘れる力」』(幻冬舎)

総コレステロール値の適正域は、220mg/dl未満。コレステロール値が高くなると動脈硬化や脳卒中のリスクが高まるため、医師から薬を処方された人も多いのではないでしょうか。ぼくは、70歳を過ぎたら、総コレステロール値はあまり気にしなくてもいいと考えています。むしろ、少し高い人のほうが血管障害は起こりにくく、低いと死亡率が高くなるというデータがあります。

ぼくの内科外来では、70歳以上で280を超える場合は、患者さんと相談し、コレステロールを下げる薬を処方します。250~260くらいの場合は生活習慣を改善することを中心に、コレステロール値が下がるかどうかを見ていきます。コレステロールを下げるには、適度な運動がいちばん。外来ではウォーキングやスクワットなどの筋トレをすすめています。

食物繊維はコレステロールや中性脂肪を体外に排出するのを助けるので、野菜やきのこ、海藻などをたっぷりとりましょう。また、高野豆腐やそばなどに含まれるレジスタントプロテインは、血中のコレステロールを低下させるといわれています。かつて卵は一日一個までといわれましたが、この制限は撤廃されました。脂質異常がなければ、卵はいくつ食べても大丈夫です。

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