では、眠る前に簡単に背中をゆるめることができる方法を1つご紹介します。実は「深い呼吸」を意識することによって、背中をゆるめることもできるのです。呼吸が深くなると、酸素の供給量が上がります。筋肉にも酸素がしっかりと届くので、筋肉の柔軟性が上がって動きやすくなります。呼吸によって背中の筋肉がゆるみ、筋肉がゆるむことでさらに呼吸が深くなる……。このような良い循環が生まれます。
呼吸というと「腹式呼吸」がイメージされる人が多いと思いますが、私は「胸腹式呼吸」をおすすめします。なぜなら、腹式呼吸の場合、息を吸い込む際に無理にお腹を膨らませる必要があるため、不自然な動作になってしまうからです。お腹の動きも同時に意識しなければいけないので難易度が上がってしまいます。
その点、胸腹式呼吸は簡単です。鼻から吸って口からフーッとラクに吐くだけです。肋骨全体が広がり、特に背中側が動いていることを意識しながら行います。寝る前に10呼吸程度でいいので、毎日続けてみてください。
背中をゆるめると健康になる
背中をゆるめると、ぐっすりと眠れるようになる以外にもたくさんのメリットを得られます。背中をゆるめ、筋肉への負荷や内臓への負担を減らし、血流やリンパの流れを良くすることで、基礎代謝が上がり、免疫力も上がります。老廃物の排出がしやすい体質になり、便秘の解消につながります。動かせる筋肉が格段に増えるので、やせやすい体になっていきます。つまり、身体が健康な状態になります。
健康になると、勝手にキレイになります。美しさは求めるものではなく、結果としてついてくるものなのです。若さも同様です。若く見せることを追求するのではなく、健康になることで、「結果として若返る」のです。自分が心地よい状態を求めることによって、日常のちょっとしたしぐさに軸が生まれ、はつらつとして見えるのです。
「年齢よりも若く見られたい」という欲求は自然なものです。もし見た目を気にしてアンチエイジングにあれこれと投資されているようなら、背中をゆるめることにも目を向けてください。最大のアンチエイジングであり、即効性が期待できるのも嬉しいポイントです。