どうすれば運が良くなるのか。日本電産の永守重信会長は「私は緑色のネクタイを2000本持っている。緑は私のラッキーカラー。ネクタイだけでなく名刺入れやカバン、会社のコーポレート・カラーまで統一している。いいと思うものは、一途といってよいほど信じるようにしている」という――。
※本稿は、永守重信『運をつかむ』(幻冬舎新書)の一部を再編集したものです。
験がよいものは、たくさん集めて持っておきたい
私はネクタイを2000本近く持っている。それも、すべて緑色だ。九星術によると、緑は私にとってラッキーカラーなのだ。
九星術とは、生まれた年月日の九星と干支、五行を組み合わせた古代中国より伝わる占術である。私は1944年生まれなので「二黒土星」という星回りに当たる。この星の下に生まれた人は、豊かな実りを生む「土」の資質を持つといわれている。種をまかれた栄養豊かな土からは、樹木や草といった「緑」が生き生きと育つ。それゆえ緑なのだ。
験がよいものは、たくさん集めて持っておきたい。私が緑色のネクタイをいつも好んでつけているのを見た人から、プレゼントとしていただいたものも相当数ある。行きつけのデパートには、緑のネクタイが入荷されたらすぐ送ってくれと頼んである。その結果が2000本である。
それらのネクタイは、すぐ選べるようにガラス張りの収納棚に1番から順番に番号を振って並べている。色は同じでも、デザインも柄も幅も形もみな違う。だから、どうしても気に入ったものを頻繁に身に付けるなど、使用頻度は偏ってしまう。
そのなかからよく手に取るネクタイは、およそ200本といったところだろうか。今日は大きな商談があるという日は、とりわけ気に入っている勝負ネクタイを選び出し、いつもより少し強めにギュッと締めて家を出る。