ブッダが注目したのは「自己=エゴ」
自己重要感、自尊心、自己肯定感……さまざまな言葉が登場して、その時々の流行を作ります。
けれどもブッダは、そもそもこの自己「重要感、尊心、肯定感」といった後ろの言葉ではなく、「自己」の方に注目しました。
「自己○○感」の「○○感」の部分ではなく「自己」。
これが根本だからです。
ブッダはこの「自己」をエゴと呼んで、その病の根本療法を示しました。
エゴとは、「この世で自分を特別かつ、最も重要な存在として愛おしむ感覚」のこと。
エゴが満たされれば幸せ。これが満たされなければ不満。これが少しでも傷付けば、死にたくなる。
エゴを愛おしみ、エゴに固執するあまり、エゴの満不満によって、調子に乗ったり、落ち込んだりして、なすべきことに集中しない。なすべきことをなさない。
それを問題視したのです。
「エゴ」への執着を手放すと、生きやすくなる
「自己肯定感」を指導するプロであっても、24時間、365日、自己肯定感が高いままの人はいません。
何かを高めれば高めるほど、落ちた時との落差が大きくなる。落差が大きければ、落ちた時のダメージも大きくなる。
天気がいい日も悪い日もある。それが自然。
気分がいい日も悪い日もある。それが自然。
自己肯定感は高い時も、低い時もある。それが自然。
自己肯定感は、高くても低くてもいい。
それが高かろうが低かろうが、明日は来るのですから。
それが高かろうが低かろうが、今日は二度と来ないのですから。
肯定感が高かろうが、低かろうが、やるべきことに集中する。なすべきことをなす。
苦しみの根本原因は、肯定感の高低にあるのではなく「自己」=「エゴ」にあるのです。肯定感が低くてはダメ、高くなくてはならないと思い込んでいる、エゴにあるのです。
自己=エゴへの執着を手放したとき、今日はもっと、生きやすくなることでしょう。