「考えることが面倒だ」「話についていけない」「文章の意味がわからない」「集中できない」……あなたの頭の調子が悪いのは「スマホ」のせいかもしれない。「スマートフォンは子どもだけではなく、大人の“脳”にも悪影響をもたらしている」と、医師・和田秀樹氏が警鐘を鳴らす。11月25日(金)発売の「プレジデント」(2022年12/16号)の特集「頭がいい思考、バカの思考」より、記事の一部をお届けします――。
医師 和田秀樹氏
撮影=八木虎造
医師 和田秀樹氏

あなたの不調はスマホのせいかも

睡眠時間が削られる、眼が悪くなる、集中力が低下する――。いずれもよく知られたスマホの悪影響です。とりわけメディアでは若者のスマホ依存が言及されがちですが、大人やシニア層にとっても、スマホは同じように危険なものです。

私が特に問題だと思うのは、スマホが人間の思考回路を変えてしまう点です。たとえば、スマホの小さい画面で文章を読むのが当たり前になると、文字情報の読解力が弱くなります。目につく見出し部分のみを流し読みするか、短い文章しか読まなくなり、情報処理力が下がっていくのです。ツイッターが流行したのも、140字という文字制限によるところが大きいでしょう。PCの広いスクリーンで読むと140字では物足りなく感じますが、スマホの画面だと140字はちょうどいい字数です。

11月25日(金)発売「プレジデント」(2022年12/16号)の特集「頭がいい思考、バカの思考」では、本稿のほか、「頭がいい人は、なぜ頭がいいのか」をテーマに取り上げています。「東大卒ベストセラー作家・特別対談◎養老孟司×藤原正彦」、「話が通じない人は、なぜ通じないのか」に加えて、「最新脳科学が解明した記憶力・集中力アップ法」、「AIにできない思考法」、「賢い人だけがやっている知的習慣」など、一生使える最新情報を満載しています。