ハードルの高い要求をして自分の身を守る
その防衛方法とは、相手に重めの交換条件を出すこと。
たとえば、相手が「この資料がどこにあるか教えてほしいんだけど」と頼みごとをしてきたら、「実は私も聞きたいことがあるんです。今後の社内の人事評価って、どのように変わっていくんですかね?」と返します。
相手の頼みごとよりも秘匿性が高く、かつ相手が自分からはあまり話さないような質問をぶつけましょう。
すると、相手の心には「自分から頼みごとをした以上、何かを返さねばならない」という「返報性の原理」と呼ばれる心理作用が働きます。相手はあなたに自分の大事な情報を教えなくてはならないという気持ちになりますが、立場上言えない、守秘義務があるなど、教えたくない感情、教えられない事情も無視できません。
結果、相手は認知的不協和の状態に陥り、その解消のために少しずつあなたから距離をとるようになるでしょう。
自分を敵視する人にあえてお願いごとや頼みごとをすることで友好関係を築けるようになる「ベンジャミン・フランクリン効果」をぜひ試してみてください。そして、相手からベンジャミン・フランクリン効果を仕掛けられたときは、頼まれた以上のお願いごとをし返すことで、防ぐようにしてください。