多くの2代目経営者が失敗してきたパターンである
私は長い間、外からジャニーズ事務所の変遷を見てきたが、今回ほど、この事務所の動揺ぶりをかつて見たことがない。
滝沢の後釜として、元V6の井ノ原快彦(46)を「ジャニーズアイランド」の社長に据えた。夫人は女優の瀬戸朝香(45)である。
井ノ原を起用した理由を、事務所関係者は週刊文春でこう語っている。
「夫婦揃ってジュリー社長のお気に入りなんです。上に楯突かず、何でも『はい』と言う井ノ原はまさにジュリー社長の大好きなタイプ。瀬戸はメリー前副社長時代から上層部の信頼が厚く、コロナ禍で感染拡大を心配した瀬戸が、ジュリー社長に夫の身体の相談もしていたといいます」
周りにイエスマンばかりを置いて、煩わしい雑音が耳に入らないようにする。多くの世襲企業の2代目経営者が失敗してきたパターンである。
ジャニーズ帝国とまでいわれる喜多川姉弟が築いてきた芸能プロダクションは、しょせん家内工業的な個人商店に過ぎない。舵取りを一つ誤れば、あっという間に崩れる砂上の楼閣であることに、ジュリー社長は早く気づくべきであろう。