下駄代わりでいいユーザーは「宏光MINI EV」に流れる
一方、そうしたスペックを必要としない、価格重視のユーザーもいる。近距離の移動がメインで、「下駄代わり」に使えればいいというユーザーは、価格が安い「宏光MINI EV」を選ぶだろう。
また、「下駄代わり」のほか、「宏光MINI EV」は街中での配送用としても使われそうだ。
「宏光MINI EV」が日本に上陸すれば、それらの少なくない数のユーザーが「サクラ」から「宏光MINI EV」へと流れるだろう。
「軽自動車という聖域」が崩壊する
「宏光MINI EV」日本上陸のインパクトは、単に「サクラ」の市場を侵食しそうだというにとどまらない。
なぜか。日本独特の「軽自動車」というカテゴリーが崩壊するきっかけとなるかもしれないからだ。
「宏光MINI EV」は、「サクラ」には劣るものの、決して走行性能が低いわけではない。
例えば、ガソリン車のホンダ「N BOX」(自然吸気エンジン)のトルクは65Nmだから、街中の走りにおいては、最大トルク85Nmの「宏光Mini EV」の方が勝っているはずだ。
そのため、「宏光MINI EV」はガソリン軽自動車の市場も浸食することになるだろう。
その結果なにが起こるか。
これまで日本の自動車市場を守ってきた「軽」という聖域(非関税障壁)が崩壊することになる。
ただ、「宏光MINI EV」の上陸は何もデメリットばかりではない。
メーカーにとっては「宏光MINI EV」は大きな脅威だが、ユーザーにとってはメリットが多い。安くて性能的にも十分使えるEVの普及は、ユーザーの選択肢を広げることになる。