日本上陸に向けて市場調査を開始?

この「宏光MINI EV」だが、ついに日本に上陸するのではないかと騒がれている。

日本経済新聞は「中国の格安EVが日本市場を調査 巡回介護車などに用途」という記事で、上汽通用五菱汽車が日本市場の調査を始めたと報じている。

すでに日本で型式認証の取得手続きに入っているとのことで、報道が事実であれば、早ければ2023年の春にも「宏光MINI EV」は日本上陸を果たすことになる。

ただし、本稿執筆中の2022年11月11日時点では、「宏光MINI EV」の日本参入については委託を受けた会社が調査中という段階で、まだ決まったわけではない。

日産「サクラ」は勝てるのか?

本当に「宏光MINI EV」が参入した場合、日産「サクラ」は勝てるのだろうか。

性能的にはどうだろうか。

「サクラ」のモーター出力は47kWでバッテリー容量は20kWhだ。

航続距離はWLTC基準で180km(EPA基準で約145km:筆者推定)。

価格は、Xグレードで240万円から。国の補助金55万円を使えば185万円になる。

「宏光MINI EV」の廉価グレードと、「サクラ」のXグレードを比較すると、「宏光MINI EV」は馬力で「サクラ」の約4割、航続距離(EPA基準)では「サクラ」の3分の2、価格は「サクラ」の約4分の1ということになる(「宏光MINI EV」の日本での価格が噂されるように65万円だとした場合)。

注意したいのは、「宏光MINI EV」と「サクラ」では、動力性能が大きく違うため、全面的な競争にはならないことだ。

「サクラ」は出力47kWであり、日本の高速道路を余裕で走れる。また、2000ccエンジン並みの195Nmというトルクにより、街中でもキビキビと走れる。

一方、「宏光MINI EV」の最大トルクは85Nmである。

このようにスペック上は「サクラ」が「宏光MINI EV」を大きく凌駕している。

そのため、性能重視のユーザーは間違いなく「サクラ」を選ぶだろう。