「宏光MINI EV」が変わるきっかけに

このように、日本メーカーにとって「宏光MINI EV」は大きな脅威となるだろう。

だが、日本のメーカーがやるべきことは、ただ単に「宏光MINI EV」を敵視することではない。

小型、低価格のEVを開発するうえで、「宏光MINI EV」の成功は参考になるはずだ。

「宏光MINI EV」のほかにも、世界では格安EVの開発が進んでいる。中国ではすでに東風汽車集団から同クラスの「風光MINI EV」が出ている。

東風汽車集団「風光MINI EV」
東風汽車集団「風光MINI EV」(出典=東風汽車集団HP)

また、スリランカではアイディアルモータースが、同国初の電動自動車「アイディアル・モクシャ」を発表している。4人乗りで、家庭用充電器による1回の充電で、最大200kmの走行が可能という。

今後、アジア、アフリカなどから小型格安のEVが次々と出てきて、市場が一気に拡大するだろう。

これに対して、日本車メーカーがなすべきことは明確だ。

「宏光MINI EV」を、日本車が変わるきっかけを与えてくれる「良き黒船」ととらえ、「軽」の枠にとらわれない小型・低価格のEVをもっと世に出すべきだ。

こうした、小型・格安EVの開発は、普通車サイズのEV作りにおいても大いに参考になるだろう。

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