協力してできること:気づきを伝え合い、子どもをサポートする

親と先生がどちらも子どもに無理をさせないようにして、学習環境を見直していけば、状況は改善していくでしょう。何か気づきがあれば、お互いに伝え合うようにするのもよいと思います。例えば学校で先生が「この子はこういうやり方が得意なんだ」と感じたとき、それを親に伝えれば、親も子どもに対する理解が深まります。親と先生で連絡を取り合い、授業や宿題を調整していけたら、子どもの学びやすさは大きく向上するはずです。そのような協力を心がけてもらえればと思います。

親としては、「勉強がうまく進まないくらいで学校に相談するのは、やりすぎかもしれない」と感じるかもしれません。しかし、子どもの学習環境を整えるためには、学校との情報交換が必要な場合もあります。「宿題に苦労している」といった話しやすい話題から始めて、様子を見ながら学校との相談を検討してみてください。

学校の先生には、親からの相談をクレームだととらえずに、話を聞くようにしてほしいと思います。家庭との情報交換によって、子どもの得意なやり方やその子をサポートするコツがわかり、授業を組み立てやすくなる場合もあります。

握手した手の上を渡る小学生のイラスト
写真=iStock.com/Feodora Chiosea
※写真はイメージです

協力してできること:状況が良くならない場合は特別支援教育の検討を

ただ、家庭と学校で相談し、いろいろと調整をしても、状況がなかなか良くならないこともあると思います。例えば子どもに学習障害や知的障害があり、親や先生にはその詳細がわからず、よい対応法がなかなか見出せないという場合もあります。

環境を整えてみても子どもが苦労しているという場合は、私たちのような専門家に相談するのもよいと思います。中にはそのような相談をきっかけにして発達障害に気づき、特別支援教育の利用を検討する人もいます。

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