※本稿は、本田秀夫『学校の中の発達障害 「多数派」「標準」「友達」に合わせられない子どもたち』(SBクリエイティブ)の一部を再編集したものです。
学校からの配布物をきちんと持ち帰れない子
学校生活の困りごととして、プリントなどの配布物をめぐる悩みを相談されることがあります。
例えば、子どもが配布物をほとんどなくしてしまい、親が困っているという場合があります。親が子どもに「今日、学校からの配布物はあった?」と聞くと、子どもは「なかった」と答える。でも実際にはプリントが配られている。子どもはプリントを学校の机に置いてきていて、しかも受け取ったことさえ覚えていない。結果として、親は保護者会の日時などが把握できず、苦労している。
そういうご相談がしばしばあります。
子どもが配布物を持ち帰れない場合に、みなさんはどんな対応を考えますか?
親が「配布物は?」と聞いても、本人は覚えていない。ランドセルの中を探してみても、入っていない。その場合、親に何ができるでしょう?
学校の先生はどうでしょうか。忘れっぽい子には、丁寧に対応している先生が多いと思います。子どもに「このプリントはランドセルにしまってください」「帰ったら、必ずおうちの人に見せてくださいね」などと声かけをしている先生もいるでしょう。
それでも配布物を持ち帰れない子がいる場合に、どんな対応が考えられそうでしょうか?
親ができること:連絡帳で先生とやりとりする
親が「配布物はあった?」と聞いたとき、子どもが「そうだ」と気づいてランドセルからプリントを出せれば、問題はありません。または、学校に置いてきたことを本人が思い出して、次の日に持ち帰ることができれば、それで問題がない場合も多いと思います。
しかし、親がそのような確認をしても子どもが配布物を持ち帰れず、生活上の問題が起きているのであれば、なんらかの対応を検討したほうがよいかもしれません。
例えば、連絡帳を使って親と先生でやりとりをするという方法があります。親が先生あてに「プリントを持たせました」と書いておく。先生はそれを見たら、子どもに声をかける。また、先生からも「配布物があります」といったことを書く。そのような連絡を通じて大人同士で配布物の確認をすれば、困りごとは減っていくでしょう。