授業中に教室を飛び出してしまう子にはどう対処すればよいのか。信州大学医学部子どものこころの発達医学教室教授であり、同附属病院子どものこころ診療部部長の本田秀夫さんは「私が相談を受けるケースでは、教室を飛び出す理由がはっきりしないことがしばしばあります。理由を探るために、私は必ず3つのことを確認するようにしています」という――。
※本稿は、本田秀夫『学校の中の発達障害 「多数派」「標準」「友達」に合わせられない子どもたち』(SBクリエイティブ)の一部を再編集したものです。
注意しても教室を飛び出してしまう子には対処が必要
学校関連でよく相談されることの一つが「子どもが授業中に立ち歩く」「教室を飛び出してしまう」という悩みです。まず、この悩みについて「先生ができること」「親ができること」を考えていきましょう。
よくあるのは、小学生のお子さんが授業中、席に座って先生の話を聞いていることができない、という悩みです。お子さんが授業の途中で立ち歩き、教室の外に出ていってしまうのです。そのたびに先生が声をかけたり、連れ戻しにいったりしなければなりません。
そのようなことが続くと先生も対応に苦慮しますし、親も家庭でどう言い聞かせればよいのかわからず、悩んでしまいます。その場合にどうすればよいのか、と相談されることがしばしばあるのです。
教室を出てしまうことがあっても、注意されれば席に戻れるのなら、それほど心配はいりません。小学校低学年くらいであれば、そういうことはよくあります。しかし、教室を飛び出すことが何度もあり、注意を受けてもあまり変わらないということであれば、何か別の対策を考えたほうがよいかもしれません。
みなさんは、そのような場合にどんな対応を考えますか?
授業中の出来事なので、まずは学校で先生ができることを考えたいところですが、親御さんも、家庭でできることを考えてみてください。例えば次のような対応の中で、学校と家庭では、それぞれどんなことができそうでしょうか。
●子どもが教室を飛び出す「理由」を考える
●教室にいられるような「工夫」を考える
●教室を飛び出したときの「対策」を考える