協力しながらできること:親と先生のコミュニケーションを密にする

親と先生が協力して連絡帳などの形でコミュニケーションをとり、子どもの苦手なことをサポートできたら、その子は学校で過ごしやすくなります。必要なサポートは子どもによって異なります。連絡帳でうまくいく場合もあれば、「持っていってね」「持ってきた?」という声かけを増やすことが有効な場合もあります。いろいろなやり方を試しながら、よい対応方法を探っていきましょう。

通級や支援級が子どもの保険になるケースもある

ただ、中には親と先生ができるかぎりのサポートをしても、困りごとが解決しない場合もあります。そのときには、また違う方法を考えます。そこで特別な場の利用が一つの選択肢となります。

本田秀夫『学校の中の発達障害 「多数派」「標準」「友達」に合わせられない子どもたち』(SBクリエイティブ)
本田秀夫『学校の中の発達障害 「多数派」「標準」「友達」に合わせられない子どもたち』(SBクリエイティブ)

例えば、通常学級ではいろいろな困難が解消しにくい場合に、「通級指導教室(通級)」や「特別支援学級(支援級)」などを利用することで、より細かなサポートを受けられるようになり、困難が解消することがあります。

その場合、これらの教室・学級が子どもにとって「もう一つのサポート」になるわけです。どの教室・学級を利用するかによって詳細は異なりますが、例えば、通常学級に在籍して通級を利用する場合には、親からのサポート、通常学級の先生からのサポート、通級の先生からのサポートという形で、多様な支援を受けられるようになります。一つのやり方では難しくても、別のやり方を試せるようになるわけです。

特別な場を利用すると、子どもが学校生活で困ったときに、それをカバーするための支援を受けることができます。私はそれが特別な場を利用することの重要なポイントだと考えています。

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