子どもを「追い込んでいるのではないか」という視点を持つことが重要

勉強に関連して暴力が起きている場合には、「追い込んでいるのではないか」という視点を持つことが重要です。暴力が起きるということは、勉強をめぐる出来事の中に「理不尽な仕打ち」が発生している可能性が高いです。どこが理不尽なのかを考え、子どもをそれ以上追い込まないようにする必要があります。「どうやってモチベーションを引き出すか」の前に、「どうしてこの子のモチベーションは消えてしまったのか」を考える必要があるわけです。

黒板にチョークで書かれたHOMEWORK
写真=iStock.com/canbedone
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親ができること:無理させずにできそうなことを一つ、やってみる

おそらく読者の方の中にも「勉強のことで、子どもに厳しくしすぎたかもしれない」と感じる人がいるかもしれません。そう感じた場合には、子どもの学習環境を見直しましょう。勉強関連で子どもにそれ以上、無理をさせないようにしてください。

本田秀夫『学校の中の発達障害「多数派」「標準」「友達」に合わせられない子どもたち』(SBクリエイティブ)
本田秀夫『学校の中の発達障害 「多数派」「標準」「友達」に合わせられない子どもたち』(SBクリエイティブ)

「子どものためにやり方を変えよう」と思ったとき、本記事がきっと役に立つはずです。

大事なのは標準を狭くしすぎないで、子どもに合った学び方を柔軟に考えること、そして、子どものモチベーションを大事にすることです。

具体的なポイントをいくつも紹介してきました。できそうなことを一つでもよいので、実践してみてください。まずは子どもの学校の準備を観察するだけでもかまいません。よく観察すると、いろいろなことの見え方が変わってくると思います。そういう工夫を積み重ねていけば、状況は少しずつ変わっていくはずです。

先生ができること:宿題の量や難易度を調節する

学校の先生ができることも、基本的には同じです。先生も、子どもに対して理不尽な課題を出していないかどうかを考えましょう。

宿題が多すぎたり難しすぎたりして、子どもを苦しめてしまっている場合には、量や難易度を調整してください。できないことを何度もやらされた子は「何も学べていない」「何も楽しくない」と感じてしまいます。そのままでは、学校に通うモチベーションを維持できなくなる可能性があります。

授業や宿題について見直せるところがあれば、柔軟に変えていきましょう。少しの調整によって、子どもがまた意欲を持てる場合もあります。ただ、本記事の内容を何もかも実践しようとすると、今度は先生が追いつめられてしまうかもしれません。先生も無理をせずに、できることをどれか一つ実践することから始めましょう。