「自分たちの強み」を発見
いろいろなものを提案しました。店舗のディスプレイ、空調、プロジェクションマッピング……。
しかし、「すべて中国製でできる」と言います。しかも、品質はいいのかもしれないが高い、と。
そして最後に残ったのが、火鍋に入れるおかずを注文通りに自動的にトレイに乗せていく装置でした。
複雑な作業をこなす技術でした。おかずの乗った皿をロボットアームでつかんで移動させるのですが、フタがバーンと開いておかずが飛び出してしまったりするのです。
しかも、ややこしい現場の状況においても間違いなくおかずの乗った皿をピッキングできなければいけない。そんなソリューションが求められていました。
これだけは、中国メーカーにはできなかったそうでした。何度やってもうまくいかなかったと言います。
しかし、これをプロセスオートメーション事業部が軸になって、完成させたのです。中国メーカーにもできなかったことをやり遂げたのです。
これには喜んでもらえたと同時に、改めて自分たちの強みを実感しました。
ややこしいところを見つける
単にモノを売るのではなく、複雑な現場のビジネスの課題を解決するソリューションを提供する。中国企業にもできない高い技術力を使って、ややこしいプロセスで現場が困っているところを担うということです。
そうすれば、メンテナンスのビジネスも生まれるし、他社も入ってこられない。
火鍋レストランに限らず、例えば病院や介護施設のように、患者によって配膳を間違ってはいけない場面で役立つかもしれない。
現場プロセスこそ最も立地がいいビジネスと、確信できたプロジェクトでもありました。
一方で、オーディオビジュアルやセキュリティカメラなどはデジタルでチップ化でき、組み立てたら終わり、といった状況になっていたことを改めて痛感しました。また、クラウドベースのスケーラビリティーの高いソフトウェアは、GAFAのようなIT企業がすべてカバーしています。
やはり、ややこしいところを見つけていくしかない、と思いました。