いつまでも元気にすごすにはどうすればいいか。精神科医の和田秀樹さんは「血圧や血糖値はちょっと高めぐらいのほうが活力を維持してくれる。医者が処方する薬をそのまま飲むのではなく、本当に必要な薬なのかを点検してほしい」という――。
※本稿は、和田秀樹『老人入門 いまさら聞けない必須知識20講』(ワニブックス)の一部を再編集したものです。
飲んで不調になるなら薬を止めるしかない
医者は薬を処方しますが、それを飲むのは患者です。
したがって、その薬を飲み続けることで何らかの不調を感じたら、そのことをはっきりと言わなければいけません。言わない限り、医者は薬を出し続け、患者は不調に苦しみ続けることになるからです。
「フラフラする」「眠くなる」「頭がボーッとする」どんなことでもいいです。
それをはっきりと訴えて、まさか「気にしなくていいです」とか「我慢しなさい」という医者はいないと思いますが、無反応な医者はときどきいます。患者の訴えに取り合わず、結局、いつもと同じ薬を同じ量だけ出します。
もしそういう医者にいま診てもらっているのでしたら、医者を替えてください。
でも医者が処方する薬を「仕方ない」と思って諦めて飲んでいる人はいないでしょうか。
「これを飲むと頭がボーッとするんだけど、薬だから仕方ないのかな」
どんな薬にも副作用があることは知っています。ある程度の不調は薬の功罪の罪の部分で、功もそれなりにあるんだからと受け止める人です。「実際に血圧が下がっているんだから我慢すればいいのかな」と考えてしまいます。これはとんでもない考え方です。
なぜ薬を飲むのかといえば、不調を治すためです。いくら血圧の数値が下がったとしても飲めば調子が悪くなる薬なら意味がありません。そうなるくらいなら、血圧が高くても調子がいい状態に戻ったほうがじつは身体のためです。薬は飲まないほうがいいのです。