モノを買うのではなく、体験にお金を使う時代

なぜ、現代の消費者は「メリハリ消費」や「ごほうび消費」をするようになったのか。それは、自分の選択を納得できる理由、つまり選択の納得性を求めるからだとわたしは思います。

鈴木敏文『鈴木敏文のCX(顧客体験)入門』(プレジデント社)
鈴木敏文『鈴木敏文のCX(顧客体験)入門』(プレジデント社)

お客様は何を買うかといえば、価値を買いたいのです。セブンプレミアム ゴールドは高品質な分、価格も高めですが、「今日は週末だから」「頑張ったごほうびだから」、買うべき価値があると自分の選択を納得できる理由を求め、消費を正当化しようとする。

単にセブンプレミアム ゴールドというモノ(商品)そのものを買うのではなく、生活にメリハリをつけるため、週末には自分へのごほうびとしてセブンプレミアム ゴールドを買うコト(体験)に価値を感じ、メリハリ消費やごほうび消費を楽しむ。

これは、消費が、単にモノそのものを買うのではなく、イベント性をもつようになったことを物語っているのかもしれません。「選択を納得できる理由」「消費を正当化できる理由」があると、買うという体験に自分にとっての価値や消費に意味が生まれ、イベント性をもつようになる。

モノにお金をかけるのではなく、自分が体験したいコト(イベント)にお金を使う。

モノを買う時代から、コトを買う時代へと変わってきたことを、メリハリ消費やごほうび消費は象徴しているように思います。

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