次の総裁は金融緩和を続けるのか
【池上】また、金融緩和を行っている間に、政府は「三本の矢」と呼ばれた経済成長策を成功させなければならなかったのですが、これも必ずしもうまくいっていない。こうした状況下で、今度は黒田総裁の採ってきた施策をいつ止めるのか、という「出口戦略」が取りざたされていますが、黒田総裁は「金融引き締めは現実的ではない」として、金融緩和を続ける姿勢を見せています。
【増田】あとは黒田総裁の任期次第ですか。
【池上】黒田総裁の任期は2023年4月まで。日銀総裁は日銀プロパー(職員)と財務省出身者が交互にトップに座っています。黒田総裁は財務省出身だから、次は日銀出身者が総裁になるとみられています。
日銀の中には「財務省出身の黒田に引っかき回されて日銀が危機に瀕している」と考えている人もいます。現在の副総裁で日銀プロパー出身の雨宮正佳氏が総裁に昇格するという見方もありますが、仮にそうなったとしても「黒田路線」を継承するかどうかは未知数です。
(構成=梶原麻衣子)