イーロンが和解金1300億円を払っても得する「プランB」

買収撤回を発表したイーロンに対し、ツイッター社は既に合意していた買収の履行を求めて7月12日に訴えを起こした。裁判の行方に世界の注目が集まるが、ここではその先を大胆に予想してみたい。

イーロン・マスクはプランBに打って出るだろう。そのシナリオはこうだ。

イーロンは和解金10億ドル(約1300億円)を支払う。その上で、安くなったツイッター株を再び買収に打って出る。ちなみに買収話が出る前のツイッター社の株価は約37ドルだったが、イーロンがツイッター社取締役に指名されると50ドルを超えた。しかし、その後は40ドル以下に落ちている。

当初約440億ドルだった買収価格が、今回の騒動で300億ドル程度になるなら、和解金の10億ドルなど安いものだ。

しかし、謎はまだ残る。なぜそこまでしてイーロンはツイッターが欲しいのだろうか?

イーロンの真の狙いはどこにあるのか

「ツイッターはWeChatやTikTokのようになるべきだ」とイーロンは以前に語っていた。

画面上のSNSアプリのアイコン
写真=iStock.com/5./15 WEST
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メッセージに加えて、ゲームや決済、配車サービスもWeChatは提供しているし、TikTokについては「ユーザーを楽しませるアルゴリズムが素晴らしい」と褒めていた。

ツイッターの将来像として、広告収入を50%未満にして、魅力のあるサブスクや有料サービス、決済などを充実させていく考えをイーロンは持っている。そして、アクティブユーザー数を現在の約2億3000万人から10億人へ増やすという。もちろん、懸念しているボットや偽アカウントへの対策も必要だ。

ここからは大胆な仮定だが、もしイーロンがプランBを実行し、より安くツイッターを買収したら、世界中から猛烈なバッシングをイーロンは受けるだろう。イーロンの長年のファンたちも離れていくだろう。

しかし、イーロン・マスクは光速経営が持ち味だ。批判を受けている間に猛スピードでこれら新サービス導入と偽アカウント対策を完了して、ユーザー数を10億人にしてしまったらどうだろう。

世間は忘れやすい。過去のツイッター買収劇などあっさり忘れて、新たなツイッターを楽しんでいるかもしれない。そして、その時になって、イーロン・マスクの真の狙いがわかることとなる。