薬物のみならず拳銃や身分証を販売しているサイト

写真3のスマホ画面をご覧ください。上段の左側は、皆さんもご存知のツイッターのアイコンでその隣がテレグラムです。

右横が「ウィッカー」、下段の左側が「ワイヤー」のアイコンで、その右側は「シグナル(Signal)」というこちらも秘匿アプリのアイコンです。利用率は低いのですが、これを使っている密売人も見かけます。

そして、その横が一般的な検索エンジンでは引っかからないネット空間「TorBrowser=トアブラウザ(以下、Tor)」のアイコンです。

「TheOnionRouter」と呼ばれる無料のソフトをインストールし、これを経由してウェブサイトにアクセスします。スマホの場合は「OnionBrowser」というソフトをインストールします。通常の検索エンジンの場合は、パソコンやスマホから正規のプロバイダーを経由してサイトに接続しますので、アクセス記録を辿ることができます。

瀬戸晴海『スマホで薬物を買う子どもたち』(新潮新書)
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ところが、Torの場合は、いくつものサーバーを経由し、その上、接続経路が暗号化されますので追跡するのが非常に困難になります。そのため、「ダーク(闇の)ウェブ」と呼ばれ、多くの犯罪に悪用されているのです。

Torの海外サイトには、とても違法とは思えないほど、大量で多種類の薬物販売広告を見ることができます。日本では流通していない、淡いピンクやブルーに着色されたキャンディー状の覚醒剤も売られていました。薬物のみならず拳銃や身分証など、信じ難いものまで散見されます。Tor日本版サイト「Onionちゃんねる」では、ツイッターを遥かに超える、薬物密売広告を確認することができます。

ツイッターでの密売は個人や少人数のグループが手がけていますが、Torでは大規模な組織が参入していると考えて間違いありません。Torでの検索は、多くのサーバーを経由するため通信速度が遅く少々いらつきます。にもかかわらず、このようなブラウザを使ってネット検索する意味はないはずです。使っているとするなら、怪しいサイトへアクセスしていると言っていいでしょう。

登録なしに複数のメアドを取得できるアプリ

下段最右側は、「捨てメアド」アプリのアイコンです。通常はYahoo!やGoogleなどのフリーメールであっても、メールアドレスを取得するには電話番号やメールアドレスといった個人情報の登録が求められます。

ところが、「捨てメアド」は何の登録もなしに、しかも、複数のメールアドレスを取得できる。つまり、誰が使用しているのか全く分からないまま、たった1回だけ使用される、文字通りの“使い捨てメアド”なのです。

確かに便利な側面のあるインスタントメールですが、子どもたちがこんなアプリを使う必要はありません。使っているとするなら、それは親には言えない怪しいことをやっている証拠になると思います。

親御さんにあっては、お子さんのスマホを一度確認してみていただきたい。このようなアプリが入っていたら要注意です。

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