他の3モデルとは異なる「セダン」
そして4番目のボディタイプが「クラウン セダン」である。日本を含めアジアなどではフォーマル用途のセダンの需要が一定数は見込まれるため、このタイプが用意されたと思われる。
セダンは他の3モデルとは異なるプロポーションを持っており、サイズもいちばん大きい。サイドビューから判断すると、後輪駆動のようなプロポーションである。
どうやらセダンはTNGA-Kではなく、TNGA-Lを継続して使用するようだ。つまり、セダンだけは今までのクラウンの資質を引き継ぐ作りとなっており、日本の保守的ユーザーにも配慮した結果と思われる。
また、TNGA-LはFCV(水素で走る燃料電池車)であるMIRAIにも採用されており、新型セダンはMIRAIよりも大きくスペースにゆとりがあるため、セダンにはFCV仕様も用意される可能性がある。
クラウンという名のまったく新しい物語
新型クラウンには、コンセプトが異なる2つのハイブリッドシステムが採用されている。トヨタ独自の動力分割機構を備えた燃費に優れる「THS(トヨタハイブリッドシステム)II」と、燃費は若干悪くなるもののダイナミックでスポーティな走りを実現するまったく新しい「デュアルブーストハイブリッドシステム」だ。
おそらく欧州向けなどでは、プラグインハイブリッド仕様も追加されるであろう。
そうなるとクラウンには2つのハイブリッド、プラグインハイブリッド、BEV、FCVと、トヨタが開発を進めるCO2対策技術のすべてが搭載される可能性があるということだ。そうなればまさにトヨタのフラッグシップにふさわしい車種ブランドとなる。
現状で発表されたのは4つのボディタイプだが、今後さらに増える可能性もあるだろう。カローラのように、仕向地別にデザインやサイズを変えるというきめ細かい展開もあるかもしれない。
とにかく、クラウンは名実共にトヨタのグローバル・フラッグシップブランドになるべくスタートを切った。クラウンという名のまったく新しい物語が始まったのである。