感性や価値観が古いままでは、今起きている変化に気づけず、先を見通すこともできない。そんな問題意識から若い経営者と数多く面談する投資家の藤野英人さんは、ある20代前半の経営者について「大谷翔平や藤井聡太と同じくらいすごい。『新時代人』の経営者版だ」という――。
※本稿は、藤野英人『プロ投資家の先の先を読む思考法』(クロスメディア・パブリッシング)の一部を再編集したものです。
おじさんには見えていない変化が若い人たちには見えている
私は1966年生まれで、50代も半ばを過ぎた「おじさん」です。放っておけば頭の中はどんどん古臭くなっていってしまうでしょう。
今は令和4年ですが、同世代の「おじさん」や私より上の「おじいさん」たちの中には、「昭和97年」の世界を生きている人も少なくありません。
その世界に引き戻されることなく、令和時代にとどまるために私が意識的に数を増やしているのが、20代前半の若い経営者たちとの面談です。
感性や価値観が古いままでは、今起きている変化に気づけず、先を見通すこともできないでしょう。
この点、若い人たちには、おじさんやおじいさんには見えていない変化が見えているはずだからです。
例えば、私が個人で投資もしているタイミーという会社があります。
「働きたい時間」と「働いてほしい時間」をマッチングするアプリ「Timee」を展開する会社で、「テレビCMなどで見たことがある」という人も多いでしょう。
Timeeが紹介するのは、応募も面接も履歴書も必要なく働ける「スキマバイト」です。
「いますぐ人手が必要」という場面で、かつては身内で手伝ってくれる人をかき集めたり、「フロアスタッフ急募!」などの張り紙をしたりするしか方法がなかったわけですが、Timeeはそのようなときに「今すぐ働きたい人が働ける」「今すぐ働いてほしいときに働いてもらえる」仕組みをつくったのです。
ワーカー(働き手)として、Timeeを利用する人は200万人を超えるまでに成長しています。