95%社員はプロセスの努力をアピールする
成果が出ていないと、プロセスの努力をアピールする95%社員が多いことも事実です。
3万2000人の95%社員に仕事が行き詰まったときの打開策についてアンケートをとったところ、約半分の人が「自身の努力」と回答しました。
高度経済成長期には、何度も徹夜して、その努力をアピールすれば、それが会社への忠誠心の証明となり、また周囲の同僚から同情されることで、相対的に社内評価を得られることもあったでしょう。
しかし現在は、限られた時間の中でスマートに成果を出す人が評価されるのであって、「努力アピール」は成果が出ていないことを意味します。
そもそも、「うまくいかなかったら努力で解決する」という根性や体力に委ねる働き方ができるのは、若いうちだけです。時間と同じで、若さも有限であり、努力や体力を解決手段にしていては、継続自体が困難です。
努力しなくても仕事がこなせればOK
私自身、スキルに乏しかった若い頃は、睡眠時間を削り、体力勝負でなんとか仕事を終えようと努力したことがありました。その結果、精神疾患を患うことになってしまいました。
そうした実体験があることから、今回の調査で、とある5%社員が発した「努力は一見ポジティブな行動に見えるが、美化されすぎているのではないか」との言葉に、強い衝撃を受けました。
仮に、そのときは頑張って努力で乗りきったとしても、「これがずっと続く」と思うと、「耐えられない」と感じたり、心身が限界に達してしまったりすることがあるはずです。
逆に、努力しなくてもしっかり業務がこなせるのであれば、“仕事”としてはそれでいいわけです。
「仕組み化」「自動化」を実現する
5%社員の行動をAI分析してわかったことは、たとえ体力がなくても、努力する気持ちになれなかったとしても、“業務そのもの”とは無関係の要因に左右されずに「仕事が勝手に終わる」ように“仕組み化”や“自動化”を確立させている、という事実です。
反対に、努力で無理やり解決しようと考えると、一見手間に思える仕組み化や自動化になかなか手をつけられなくなります。
今回、各企業のトップ5%人材を分析し、彼らが実践する仕組み化や自動化のコツをつまびらかにしました。ぜひ本書『AI分析でわかった トップ5%社員の仕事術』も参考にしていただきつつ、体力勝負の辛い努力を卒業し、最小の努力で仕事が終わる、あなただけの「仕組み化」を完成させてください。