幼少期から容姿に対して厳しいジャッジを下された
「女性用風俗」、略して女風が、ここ数年で活況を呈している。女性用風俗は、日本社会の水面下で着々と店舗数を増やし、デフレ化、低価格化が起きている。ひっそりとながら、着々とその勢いを増している現状がある。
女風を巡っては、有名インフルエンサーがYouTube上で店舗と積極的にコラボしたり、経営者が地上波に出演するなど、今までなかったような新たな動きも起きている。また、セラピストがSNSを通じて女性たちに直接ブランディングできるようになったことで利用する側のハードルが下がりつつある。
しかしそんな華やかな業界の仕掛けは、あくまで表層にすぎない。女性用風俗を長年取材してきた身としては、「女性の性」を巡る新たなムーブメントが起きた背景には、女性たちが抱える切実な「性」の生きづらさが見え隠れすると感じずにはいられないのだ。
女風の利用動機は人それぞれだ。性経験が少ないため利用したという人もいれば、夫や彼氏など特定のパートナーはいるが、セックスレスを思い悩み利用したという人もいる。
例えば性経験の無さが自信の無さにつながっているというAさん(35歳)は、長年「処女」であることを思い悩んでいた。幼少期から容姿をからかわれいじめを受けたことで、異性に長年積極的になれずにきた。
「とにかく自分に自信がなくて。男の人に縁がないのは自分の容姿に原因があるからだって、ずっと思ってたんです。本当に誰からも相手にされないんじゃないか、嫌がられるんじゃないか、そう思っていたんですよ」
物心ついたときから容姿をネタにからかわれた。小学校の頃は、同じ背格好の女子と一緒に、男子から「ブス」「太った女」と暴言を吐かれることが日常だった。中学になると、一緒にいじめられていた子も、手のひらを返したように男子と一緒になってあゆみさんの陰口を囁くようになる。まさに孤立無援だった。