1億4000万円のホテルコンドミニアムが販売中
香港に本社を持つデベロッパーZekkei社により富良野初の外資系高級ホテルコンドミニアムとして2020年12月に開業した「フェニックス富良野」は、地価上昇が続く北の峰ゴンドラの目の前にあり、スキーイン・スキーアウトが可能だ。最も高い部屋で2億円を超えるが、ニセコの5億円超の高額物件に比べれば割安ともいえる。Zekkei社によると香港、シンガポール、東南アジア、台湾、中国本土の富裕層に販売開始からわずか3カ月で全戸完売したという。購入者の多くは、ニセコのホテルコンドミニアムにも早くから投資していた富裕層だという。
「フェニックス富良野」に続き、新たに2棟の高級ホテルコンドミニアムなどが計画されており、そのうちの一つ「フェニックスウエスト」が建設中である。100平方メートルの3ベットルームが1億4000万円台からの設定で販売中であり、2022年12月に引き渡しされる予定だ。Zekkei社によると、「フェニックスウエスト」では、アジアからの購入者に加え、日本や米国からの購入者も含まれているという。
ホテルコンドミニアムは、分譲マンションのように部屋ごとに販売され、不動産開発会社または不動産仲介会社から、一部屋の所有権を購入しオーナーとなる。その際、別途、管理契約を結び、一般客にホテルのように貸し出し、経費を差し引いた宿泊料金をインカムゲインとして得ることができる仕組みだ。スキーシーズンだけでなく、グリーンシーズンも集客力がある富良野では高い客室稼働率も期待できそうだ。
「投資が投資を呼ぶ」好循環がやってくる
ホテルコンドミニアムは、日本では、ニセコ、京都や沖縄の一部などにしかないものの、海外の高級リゾート物件投資では、一般的な仕組みとされる。
ニセコでは、倶知安町だけでホテルコンドミニアムが300棟を超えるのに対して、富良野では、まだ数棟にすぎない。「フェニックス富良野」の成功を受けて、この先、北の峰のペンションや民家が集積するエリアなどを中心に国内外のデベロッパーによりさまざまな投資計画が進展すると見込まれる。
富良野においても、この先、良質な不動産の投資機会が供給され、国内外の投資家や富裕層が集まることで、ブランド力がさらに高まり、資産価値の上昇により、さらなる開発や投資が行われる、という、投資が投資を呼ぶ好循環が生まれつつあるのだ。