外国人宿泊客数は10年間で4.6倍に増加

実際、中国人の宿泊者数は、コロナ前の2018年度では、ニセコ(倶知安町)の1万6581人に対して、富良野(富良野市)は3万7303人と大きく上回っている(※1)。外国人宿泊客全体に占める中国人の割合でも、ニセコの11%に対して、富良野では35%を占めるほど人気なのだ。

※1 ニセコは「倶知安町観光客入込状況 2021.06版」、富良野は「富良野市外国人観光客数の推移」の数値を参照。

夏にラベンダーに癒やされたインバウンドが、冬には、スキーやスノーボードを目当てに滞在するといった動きもあり、富良野市の外国人宿泊客数は、コロナ前ながら2019年度で8万9986人と、過去10年で4.6倍にまで増加していた(※1)

ラベンダー畑
写真=iStock.com/goikmitl
※写真はイメージです

こうした状況下、ニセコへの不動産投資で、インカムゲインだけでなく、キャピタルゲインを得ることに成功し、味をしめた中国人や華僑などアジアの海外富裕層が中心となって、ニセコと同じくパウダースノーを持ち、グリーンシーズンも集客力がある富良野において、高い利回りを見込める中古物件や、新規の開発用地や投資物件などを物色してきているのだ。

ニセコ投資が過熱したことで、富良野に注目が集まっている

なぜ、ニセコではなくて富良野なのか。最大のポイントは、ニセコと比べた土地の安さだ。世界的なリゾート地となったニセコでは、足元のインバウンドはゼロながら、北海道新幹線の延長や札幌冬季オリンピック開催を見据えて、不動産投資や外資系高級ホテルなどの建設が続いている。ニセコがブランド化し、不動産価格が上昇したことで割高となり、「第2のニセコ」を探す動きが活発化しているのだ。

実際、公示地価(住宅地)(2022年1月1日時点)で比べてみると、富良野スキー場の中心地である北の峰地区では1平方メートル当たりの地価が3.17万円で前年比17.84%と大きく上昇したものの、ニセコの中心地であるひらふ地区の同15.1万円(11.85%増加)と比べた場合、その地価は約5分の1の水準だ(※2)

※2 日本経済新聞「あなたの街の地価は? マップで見る上昇と下落」2020年3月18日を参照

将来性がある割安な土地に投資することは、不動産投資の基本であり、スキーリゾート地であっても同じだ。ニセコの地価が過熱し割高となることで、次の投資先として富良野に注目が集まっているのだ。