バイデンはウクライナが最後まで戦い抜くことを望んでいる

バイデン大統領にとって重要なのは、ウクライナが自由主義と民主主義の戦士として最後まで戦い抜くことでしょう。双方にどれだけの犠牲者が出ようと、正しい側の最後の1人が倒れるまで応援しよう。これは価値観を巡る戦いだと捉えているからです。

西側諸国に支援を求めるゼレンスキー大統領は、バイデン大統領の意向を無視して動くことはできません。もはやバイデン大統領とプーチン大統領の代理戦争の様相を呈してきています。

今のウクライナの戦闘を見ると、私の母が子どもの頃に経験した沖縄決戦を思い起こして胸が痛みます。当時の追い詰められた沖縄の人々に向かって、「徹底的に戦え」とはとても言えません。そして「逃げろ」というのも無責任です。投降するという選択肢を容易に選べる状況ではなかったからです。

少しでも犠牲者を減らすために、この戦争が一刻も早く終わることを願います。

(構成=石井謙一郎)
【関連記事】
佐藤優「もしもアメリカがトランプ大統領のままなら、ロシアのウクライナ侵攻は起こらなかった」
佐藤優「プーチン大統領の目的は『ウクライナに傀儡政権を樹立すること』ではない」
「ウクライナを焚きつけたEUの責任は重い」国民性のそっくりな兄弟国が戦争に至った本当の理由
1230kmのパイプラインも作ったが…ロシア依存だったドイツが超強気に急変した本当の理由
元海自特殊部隊員が語る「中国が尖閣諸島に手を出せない理由」