YouTuberの生活を支えているのは広告収入
憧れの職業に「YouTuber」と答える子どもが増えている。
多くの保護者は「子どもがYouTuberになりたいって言い出したらどうしよう。収入が不安定そうだし、儲かるとは限らないのでは。うちの子には絶対にやらせたくない」と眉をしかめながら話す。
しかし、具体的な収入や収益の仕組みについては詳しくない人がほとんどだ。YouTuberの懐事情についてご紹介する前に、まず基本的な収益の仕組みについて整理しておこう。
YouTubeチャンネルは、「18歳以上」「チャンネル登録者数1000人以上」「年間総再生時間4000時間以上」「広告に適したコンテンツ」という条件が満たされた場合、収益化できるようになる。
YouTuberの収益は、広告配信サービス「Googleアドセンス」から支払われる広告収入がメイン。動画の再生前や再生中に流れるCMや、画面の下や横に出てくる広告が表示されたり、クリックされたりすると収益が発生する仕組みだ。
ただしある程度の人気が出れば、企業などとのタイアップ案件、イベント収入、グッズ販売による収入なども見込めるようになる。
普通のYouTuberだと1再生当たり0.05~0.1円
肝心の広告収入だが、広告は入札制のため一定ではなく、繁忙期か閑散期かなどによっても異なってくるものだ。たとえばコロナ禍では多くの企業が広告出稿をひかえたため、広告収入自体が大幅に減少している。つまり、保護者が心配する「収入が不安定」は事実なのだ。
1再生あたりの広告収入単価は人によって異なり、実績や分野などによって変わる。なお、大手YouTuber事務所UUUMの2022年5月期第2四半期の決算を基に計算すると、1再生あたりの広告収入は約0.292円となる。100万回再生されれば約30万円、1000万回再生されれば約300万円の収入ということだ。
しかしこれはあくまでUUUM所属YouTuberの平均であり、再生単価は0.05円〜0.1円程度のYouTuberも多い。
Googleの親会社であるAlphabetの2022年2月の発表によると、2021年第4四半期におけるYouTubeの広告収入は86億3000万ドル(約9900億円)に達しており、前年同期比で25%増と順調に伸びている。
では、実際YouTuberの懐に入る収入はどのくらいになるのだろうか。