書くことで冷静に分析できる
なんとなくムカつく、面倒くさい、細かい、生理的に無理。避けたくなる理由は、厄介上司の数だけ存在すると言ってよい。
「この人、イヤだ」というマイナスの感情はとても強いものであり、厄介な上司のプラス面があっても、打ち消されてしまうものだ。
奥様が激怒しているときに、怒りを静めるために好物のケーキを持って帰っても「今は要らない! ケーキで釣るとかバカにしているのか」とかえって怒りの炎を強める結果になるのとよく似ている。
厄介は強大だ。打ち消せない。僕らにできることは、厄介さの許せるラインを高めに設定して、そのラインを越えたときには行動を起こすが、越えないかぎりは我慢することを誓うのである。
厄介な上司がいたら、感情にとらわれずに分析してみよう。冷静に分析する際には書くのがベターである。
厄介な上司を能力と厄介度で分類すると4パターンになる。
①有能/よい
②有能/厄介
③イマイチ/よい
④イマイチ/厄介
①や④は対応が簡単である。受け入れるか(①)、社内ハラスメント担当に訴える(④)などの行動にうつればよい。
問題は②と③である。②から③のあいだに先述の許せるラインを設定し、上司の言動を落とし込む。例えば「大声を出す」ならラインを越えている、というように。実際に図に書いてみて「ここから上は絶対に許さない」と意識しておくといい。あまりにもアウトな言動が続くようなら環境を変えるほうを選ぼう。
厄介な上司を選んでいるのは自分自身
人間は直らない。一般的に上司という存在は先輩・年上であることが多い。人間は年齢を重ねることで間違った方向に強固になり折れにくくなっている。環境を変えよう。
親は選べないが、上司は選べる。職場を変えたっていいし、上司を追っ払うような行動を起こしたっていい。自由だ。今の仕事があるから……という言い訳は成立しない。多少の不便はあっても、今取り組んでいる仕事はどこでもできる。
上司を許容し、選んでいるのは、他でもない、あなた自身なのだ。なので、厳しい言い方をするが、選んだのなら受け入れるしかない。
ポケモンでピカチュウをなかなかゲットできず、いまいちなポケモンと旅するように、厄介な上司とうまく付き合って、戦っていくのである。上司が気に入らなかったら、ポケモンのように交換してしまえばよいのだ。
上司を選んだのはアナタである。ポケモンのように上司を交換できないなら、選んでしまった責任と諦念をもって事実を受け入れよう。諦念をもって受け入れることからはじまるのである。
立ち回り方は「無になる」「一定の距離を置く」「接近戦を仕掛けて乱戦に持ち込む」など、いろいろあるので、各位、好きな方法、合った戦法をセレクトしていただきたい。ただし、厄介な上司との距離を詰めて同じレベルで醜い戦いをするのはおすすめしない。心身の消耗が激しいし、「あの上司と同レベルの人間」と見られるのは、社内ではマイナスでしかないからである。