後輪モーターを搭載するe-POWER 4WDの強みを実感した

e-POWER 4WDでの試乗後、同じくノートのe-POWERやリーフ(ともにFF)に乗り換えたが、発進/加速時こそ緻密な制御による恩恵を受けたものの、やはりツルツルの路面では4WDよりも早めに限界を迎える。よって改めて、後輪モーターを搭載するe-POWER 4WDの強みを実感することとなった。

スポーツモデルでFFの「ノートオーラNISMO」。ボディには補強が施されe-POWERのモーター特性がボタン操作で変更できる
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スポーツモデルでFFの「ノートオーラNISMO」。ボディには補強が施されe-POWERのモーター特性がボタン操作で変更できる
こちらは4WDの「ノートAUTECH CROSSOVER FOUR」。ノートから最低地上高が25mm高められ走破性能を向上させた
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こちらは4WDの「ノートAUTECH CROSSOVER FOUR」。ノートから最低地上高が25mm高められ走破性能を向上させた

また、内燃機関でガソリンエンジンを搭載するスカイライン(FR)やGT-R(4WD)では、車体を真横に向けたダイナミックな走りが堪能できる一方で、内燃機関特有のタイムラグを見越した運転操作はやはり難しかった。ただ、そこはドライバーが行うべき運転操作が残っているとも解釈でき、「これこそ走る楽しみだな~」と、思わず笑みがこぼれた。

スカイライン「400R」試乗の様子。V型6気筒3.0lツインターボは405PSを発生。これを後輪のみで路面に伝える
画像提供=日産
スカイライン「400R」試乗の様子。V型6気筒3.0lツインターボは405PSを発生。これを後輪のみで路面に伝える
「GT-R Premium edition T-spec」試乗の様子。抽選販売を行った100台の限定車ですでに完売。V型3.8lツインターボは570PSを発生。ATTESA E-TSと呼ぶ、電子制御式の前後輪トルク配分式4WDを備える
画像提供=日産
「GT-R Premium edition T-spec」試乗の様子。抽選販売を行った100台の限定車ですでに完売。V型3.8lツインターボは570PSを発生。ATTESA E-TSと呼ぶ、電子制御式の前後輪トルク配分式4WDを備える

雪道を走らないという都市部のドライバーからすれば4WDによる走行性能は過剰かもしれない。今回のような緻密な駆動/回生制御を行うe-POWER 4WDであればなおさらだ。

ただ、冒頭のように都市部であっても突然の雪に見舞われる。また、雨天時は晴天時の約5倍も交通事故が増える(1時間当たりに換算した交通事故件数/出典:首都高速道路)というデータもある。要因は滑りやすくなった路面だ。雨の降り始めは路面のゴミやほこりが雨水と混ざり、とくに滑りやすい。

こうした雨天時であっても4WDは、走る・曲がる・止まるを支えてくれる。ただし、繰り返しになるが過信は禁物だ。また、最新の4WD車両といえどもスタッドレスタイヤ、もしくはチェーンは走行する地域によらず冬の必携アイテムであることに変わりはない。

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