資産1億円を達成する家にはお金が貯まる仕組みがある

では、1億円貯まるようなお金持ちは、どのような家計管理をしているのでしょうか。一言でいえば、お金が貯まる仕組みをつくっています。最初は少し手間がかかることもありますが、いったん仕組みをつくってしまえば、がんばらなくてもお金が着実に貯まっていくのです。

節約も同じです。一度の努力で節約効果が長く続くものを優先しています。それは、固定費です。固定費とは、毎月確実に口座から引き落とされていくような支出です。前述のようにお金が貯まらない人はやりくり費を節約していますが、お金が貯まる人は固定費を徹底的に見直しています。これが決定的な違いです。

たとえば、節約の対象となる固定費の代表は通信費です。いまや格安SIMを利用するは当たり前になりました。以前は「つながりにくい」などの問題も聞かれましたが、最近は大手キャリアの格安プランも利用できるようになり、そんな心配も必要なくなりました。

にもかかわらず、毎月高額な通信費を支払っているのは意味があるでしょうか? 明確な理由があればいいのですが、そうでなければ格安SIMや格安プランに切り替えるだけで、大幅に節約が可能です。家族4人であれば、毎月1万円程度の節約は簡単でしょう。

貨幣の上に順調に育っていくグリーン
写真=iStock.com/Ghing
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食費の節約はがんばっても努力は報われない

1万円を食費で節約しようと考えれば、相当な我慢をしなければなりません。しかも、その我慢は毎月続きます。少しでも財布のひもを緩めれば、節約効果がなくなってしまうからです。

住宅ローンも代表的な固定費のひとつです。しばらく超低金利状態が続いていますから、購入時に低金利ローンを組んでいる場合には、別の銀行などに借り換えても利息の軽減効果は得られないと思うかもしれません。残債の額が多い、残りの返済期間が長いという状況ならば、金利が0.3%程度下がるだけでもまとまった利息軽減効果を得ることができるでしょう。最近は多くの銀行のHPで借り換え試算できるようにしていますので試してみましょう。

実際に別の銀行に借り換えできることが分かってきたら、その情報を持って現在借りている銀行に金利の引き下げ交渉をしてみましょう。現在の銀行に金利を引き下げてほしいと交渉するのです。別の銀行へ借り換える際には、抵当権の抹消や再設定が必要になりますし、保証料などの諸費用もかかります。ところが、現在の銀行で金利を引き下げるだけなら、こうした諸費用はほとんどかからず利息軽減効果をまるまる享受することができるのです。

金利の引き下げ交渉は成功する確率は高いものではありませんが、銀行としては条件の良い人ほど他の銀行に行かないよう引き止めたくなるものです。ダメ元で交渉してみるとよいでしょう。

車関連費も固定費です。車がなくても生活に支障のない地域に住んでいる節約家は、車を保有していないことが多いのも特徴です。仮に車に乗るのであれば、格好良さよりも燃費など実利で車を選びます。

以前は軽自動車を選択したり、一台の車に長く乗るのが主流でしたが、最近は燃費がいいという理由でハイブリッド車を選ぶ人も増えています。街乗り中心であればよりランニングコストが下がる電気自動車を選んだ方もいました。