皇位継承の避けられない困難

このように皇族の数を確保するといってもなかなか容易な話ではないのですが、さらに今回の議論で避けてきた将来的な皇位継承をどうするかという問題にもすぐに直面しなければならなくなることも明らかです。

どのような形をとるにしても、皇室が続いていくには、とにかく皇族が結婚して子を産まなければなりません。その結婚相手が見つかる保証はあるのでしょうか。

一般国民としての自由や権利の保障を全て捨てて、皇族と結婚して皇室入りしてくれる人がいなければ、もうどうにもならないのです。

お妃を選べる立場なのか

現在でも、悠仁親王について「お妃選びをどうするか」という話題が出ることがありますが、そもそも皇族は結婚相手を「選べる」立場なのでしょうか。

天皇が皇太子時代に雅子さんと結婚するまでどれだけ大変だったかを覚えている人は、皇族の結婚について決して楽観的になることはできないでしょう。

皇族の人数の確保にしても、皇位の安定的継承にしても、もはや非常に困難な状況といわなければなりません。

「ポスト皇室」を考えるべき時である

より根本的な問題として、一般国民とは違う不自由な身分としての「天皇・皇族」をいつまで、そもそも何のために維持する必要があるのでしょうか。

また、皇族の人数の確保について考えるのも結構ですが、逆に自由になりたい皇族がいたらどうすればいいのでしょうか。

皇室の人々は、2000年生きてきた人間でも古代人でも聖人でもなく、われわれと同じ時代を生きる生身の現代人なのです。

皇族の人数の確保や皇位の安定的継承を考えるだけでなく、ここは発想を転換して、逆に皇族の人数が確保できず、皇位が継承できない事態になっても混乱しないような仕組みづくりも考えてみた方がいいのではないでしょうか。

備えあれば憂いなしといいます。これまで表立って議論されてはこなかったのですが、いわば「ポスト皇室」の事態に備えることも検討すべき時期のように思えるのです。

【関連記事】
精神科医・和田秀樹「複雑性PTSDなんかではない」眞子さまの本当の病名は
「すべての公務を廃止しても問題はない」皇族に残る佳子さまのために考えるべきこと
「女性天皇になるか主婦になるか」引き裂かれ続けた愛子さまの20年
「必ず男子を生まなくてはならない」悠仁さまの"将来のお相手探し"が大苦戦必至である理由
「これでは愛子さまのご結婚はますます困難に」皇位の安定継承の問題から"逃げた"有識者会議の罪