安定的な皇位継承の在り方などを議論してきた政府の有識者会議は、昨年12月に最終的な報告書をまとめた。弁護士の堀新さんは「皇族数を確保する方策として提出された2案は、どちらも現実的ではない。皇室が途絶えることを想定して、ポスト皇室を議論するべきではないか」という――。
新年祝賀の儀
写真=時事通信フォト
「新年祝賀の儀」で「松の間」に入られる天皇、皇后両陛下と秋篠宮さま、皇族方=2022年1月1日、皇居・宮殿[代表撮影]

悠仁親王が天皇になるまでは現在の制度を維持

眞子さんが結婚して皇室から離れた現在、皇室の人々の人数はわずか17名になりました。このような状況を踏まえ、昨年12月22日、政府の有識者会議が皇族の人数の確保に向けて報告書を発表したところです。

まず有識者会議は、皇位継承の在り方については特に変更を考えないこととして、踏み込むのを避けていることに注意してください。

現在の皇室典範では、父親が天皇か皇族である男性皇族(いわゆる「男系」)だけが天皇になれることになっていますが、この点については変更せず、悠仁親王が天皇になるまでは現在の制度を維持するものとしたうえで、差し当たって皇族の人数を確保する案を示しただけなのです。

案を簡単に紹介すると、

①女性皇族が結婚しても皇族の身分にとどまる。ただしその夫と子は皇族にはならず、一般国民のままとする
②皇族が養子をとれるようにする。具体的には1947年に皇族から離れて一般国民となった人(旧宮家)の子孫を養子にすることを主に考える。

という2案です。

(他に、旧宮家の子孫を皇族の養子という形ではなく、直接的に皇族にするという案も発表されていますが、有識者会議は他の2案より困難なものとみているので、ここでは省略します。)

以下、これらの案とその問題点を簡単にご紹介しましょう。